空き缶で簡単に作れる二次燃焼ウッドストーブの作り方


このシリーズもそろそろ本題に入ってきました。

今回は本格的な二次燃焼ストーブの実験です。



本格的といっても構造はシンプルで、空き缶で簡単に作れます。
少量の燃料でも効率的に燃焼して、火力も強いストーブです。
空き缶さえあればすぐに実験できるので興味があればお試しください。


【手順1】
まず、空き缶を2つ探します。
少し大き空きい缶と、それよりちょっと小さい空き缶です。

 



サイズ感はこれくらいで、小さいものは長さも少し短いものです。
大きな空き缶に小さい空き缶を入れる加工をします。




【手順2】
燃焼室になる小さい空き缶の底に吸気用の穴をあけます。
寸法とかは適当でいいです。

 



適当にマーキングして、ドリルで穴あけします。



燃焼室は底の空気穴と、上部にも少し大きい空気穴をあけます。
底の穴は一次燃焼用の空気口で、上部の空気穴は二次燃焼用の空気口です。
穴の大きさや数はこんな感じで適当でいいです。




【手順3】
燃焼室を入れる大きい空き缶に穴をあけ加工をします。
空き缶の下の方に空気の取り入れ口を作ります。
寸法は適当で少し大き目に穴をあけます。

 

空き缶の上部に燃焼室を入れる穴を空けます。
燃焼室のサイズをマーキングして、線に沿ってドリルで穴をあけます。



穴が開いたらニッパーで切り離し、バリを取って奇麗に整形します。
この加工は出来るだけ燃焼室とピッタリになるように加工します。

 



大きな隙間があると空気が逃げてしまって効率が悪くなります。
まっ適当でいいです。w




【手順4】
できたケースに燃焼室を入れれば完成です。 簡単!
ゆっくり工作しても1時間もあれば作れると思います。




【手順5】
それではストーブの燃焼実験です。
まず小さい空き缶の中に適量の燃料を入れます。
ある程度細かくカットした燃料を詰め込むイメージです。



このストーブは普通のストーブとは違って、上から燃焼させます。
通常の焚火は燃料の薪を積み上げて下から火を付けますが、このストーブは逆です。



通常の焚火は一次燃焼だけで、下で燃焼した炎が上に積まれた燃料に燃え移るという原理ですが、今回の二次燃焼型のストーブは燃料を一次燃焼でガス化させ、上部の吸気口で酸素と混合することで二次燃焼させる仕組みです。

 



つまり一次燃焼は完全燃焼させる必要がなく、過度な酸素も必要ありません。一次燃焼が不完全燃焼でも可燃ガスだけ取り出せればいいので、缶の底の吸気口は適当でもいいわけです。ここがこのストーブのポイントです。


【手順6】
ウッドガスによる二次燃焼を確認しましょう。
一次燃焼でストーブが温まり、外側と内側の間の空気が温まると煙突効果による吸排気が始まります。一次燃焼で発生した可燃ガスが上部の吸気口で酸素と結合して燃焼を始めます。
これが二次燃焼です。



そのままの状態で放置しても燃料が無くなるまで安定して燃焼を続けます。
途中で燃料を追加する時は、少量ずつ着火を確認しながら投入します。
燃料を足せばずっと燃焼を保つことができます。

 



完全燃焼に近い状態まで燃焼するので灰もほとんど出ません。
かなりの時間燃焼させても、灰が溜まって吸気口が塞がることはないと思います。

 



半時間程度の燃焼実験で、外側の缶の塗料は燃えることはありませんでした。
内側の燃焼室との隙間を外気の空気が流れるので、あまり温度が上がらないようです。
でも手では触れない温度までは熱くなりました。外気温にもよると思います。



半時間程度の燃焼では缶に歪みなど特にありませんでした。
鉄の融点は1500℃ぐらいで、炭火は600~1000℃程度ですから耐えられるようです。



ちなみにアルミの融点は600℃ほどなので、炭火で溶ける場合もあります。
この実験はアルミの空き缶には向かないのでご注意ください。




実験動画です。

 

 

燃料に数滴の灯油を垂らしておいたので着火も一発でうまく燃えました。
上面からの着火は難しいので、少量の着火剤を使うと楽です。

二次燃焼の炎は奇麗ですよ。w



実はこの話にはストーリーがあって、それを段階的に実験を行いながら進めています。

まず最初に行ったミニチュアの焚火は野焼き状態を確認する実験です。
囲いも何もなく、単に燃焼する状況を確認するものでした。
焚き火は簡単ですが、燃焼効率としては無駄が多くてもったいない燃やし方です。
 

 


2回目に行ったミニチュアストーブの実験は、煙突による排気を利用した空気を過給する実験です。燃焼は熱によって燃料が可燃ガスに変化して酸素と熱で燃焼しますが、酸素を多く取り込むことで酸化を促進する実験です。この段階でお湯を沸かしてコーヒーを飲めることを確認しました。

 

 

 


3回目に行ったアースジェットのストーブは、煙突効果を利用しながら燃焼を加速する簡単なロケットストーブの実験です。燃焼室と煙突が一体になることで効率よく燃焼しました。
デザイン的にゴトクの設置で苦労しましたが、何とか生麺のラーメンは作れました。

 

 



4回目の今回は効率の良い二次燃焼の実験です。
前回より燃焼効率がアップして少量の燃料でも効率的に燃焼することが確認できました。

ただ、効率よく可燃ガスを取り出せるため、絶頂期には過剰に燃焼します。
必要以上の燃焼は逆にもったいないわけです。

 

 

さて、この先はどうなるか?

勘のいい方は、そろそろこの先のストーリーが読めるのでは?と思います。w

シーズン的にも焚き火の実験にピッタリな時期になってきました。
畑ではサツマイモがそろそろ出来上がりそうです。
全て計画どおりですね。w

続きはまた次回に・・・ To Be Continued

(ヒント : 焼き芋じゃないよ)


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