ミニ船長への道 ポンプは奥が深い!

 
小型のエンジンポンプを推進力とするボートを作ってきましたが、どうやら根本的に問題がある気がしてきました。
「ポンプ=ジェット」と安易に考えいましたが、そもそもこの発想が間違っていたかもしれません。

↓この時点での判断ミスです。

ミニ船長への憧れ、推進エンジンをゲット!
http://ttripper.blogspot.jp/2016/08/blog-post_27.html


改めてポンプについて色々調べてみると、この世界は物凄く奥が深いことがわかりました。単に出力ノズルが太いとか細いとかの問題ではなく、用途にあったキッチリした計算が必要なようです。

役立つノズルの選定知識 - ノズル仕様の必須6項目
http://sgs.nozzle-network.com/jp/tools/know_practical_4.html

↑上記の計算式によると、
流量(m3/s)は流量係数×オリフィス断面×√(2×重力加速×高低差)となっています。
オリフィス断面とはノズル口の断面積のことで、今回は高低差もほぼ無視できます。
問題は流量係数というノズルの形状や圧力によって変わる変数となってきます。
つまり出口の面積と適当な係数で流量は決まるよという極常識的な話でしかありません。

結局ポンプの性能の圧力にあったノズルの形状にしなさいというだけの話なんですが、そもそもこの計算式ではポンプを推進力に利用するなんてアホな発想はないわけで、どういったノズルが推進装置として最適だという答えは全く得られないわけです。


あれから色々とバイプの素材や太さを換えながら放水実験をやってみましたが、太すぎても細すぎても出力の圧力が下がります。それとノズルの口を水中に入れると水圧の関係で極端にパワーが落ちます。当たり前ですが空中に放水したほうが初速度が得られるのは当然ですね。水を吸って、その水の中に吐き出すなんて、まさにマッチポンプのようなことをやってもエンジンが空回りするだけのような感じです。

根本的にポンプとジェットではペラの形状も全く異なります。
ポンプは負圧を利用して水をくみ上げますが、ジェットはペラで水を押しやることで推進力を得ます。突き詰めるとパイプやノズルの問題ではない気がします。
つまり掃除機で空を飛ぶようなものですね。w

↓過去の失敗

【エアーバイク】ブロアー推進事業部、設立!
https://blogs.yahoo.co.jp/kai_yamamoto/59473376.html


全くダメというわけではありませんが、前例のないアホな発想であることだけは間違いありません。素直にペラで水を掻ぐほうが簡単なことだけは確かです。

既に2年間塩漬けしているミンコタのエレキを引っ張り出してきました。
これをくっつければ簡単に進むことは間違いありません。

しかし、アホなほうが楽しいのです。
エレキは最終手段として、もう少しポンプで粘ってみたいのです。


色々とアホな頭の中で妄想を重ねるうちに「水回路」というキーワードに辿り着きました。つまり電気に例えると電圧と電流の関係です。

ポンプとジェットの違いは何かというと、本来ポンプはある程度の高低差があるA点からB点に水を運ぶことを目的に作られています。通常は低い場所から高い場所に水を押し上げる仕事(揚水)がメインになります。つまりその為には圧力が重要で、逆にその時の瞬間的に流れる早さはさほど問題になりません。

ポンプの性能はこの高い圧力をどう生み出すかを念頭に考えられているので、その羽根(インデューサー)の設計はその目的に合った形状になっています。

ポンプの知識|クボタ機工株式会社
https://www.kubota-kikou.co.jp/vision/knowledge-1.html

一方ジェットは前方から吸い込んだ水を後方に素早く吐き出すだけで、圧力よりも水流の速さが重要になっきます。当然、舟を動かすにはこちらのほうが理にかなっているのは言うまでもありません。

そもそも揚水用ポンプを推進装置に使おうなんて発想がアホ過ぎるわけですが、元々の発想は非常に非力なスターリングエンジン程度の出力があれば満足というところからスタートしていますので、空気を暖めてその負圧で動くスターリングエンジンよりも、内燃機関としてガソリンを爆発させるエンジンのほうがパワフルなわけで、問題はそのパワーをうまく活用できていないところにあります。

ポンプは水流よりも水圧があるわけですから、その圧力をうまく利用した推進装置を考えればいいわけです。例えば水力タービン、つまり水車です。


https://en.wikipedia.org/wiki/File:Water_turbine_%28en_2%29.svg

現状は池からポンプで水を吸い上げて、また元の池に捨てているだけです。
その時の多少の水流で進もうとしているわけですが、だったらその水を捨てる前に一仕事してもらえばいいじゃないかという発想です。

水力タービンはポンプの逆の構造で、発電機(ポンプ)とモーター(水力タービン)との関係になります。この水力タービンを出力ノズルの手前に設置して、その回転力でスクリューを回しつつ、その排水も多少の推進力に利用するというダブル効果を狙った装置を作ってはどうか?という水中版ターボプロップの発想です。

力の伝達方法として水を媒体に使うなんて完全にアホな発想だとは分かっていますが、コンパクトでラブリーな小型ポンプを何とかして生かしてやりたいわけです。

どんどん深みにはまっていく我が身が不憫ではありますが、こういう既に分かっているようなことを改めて我が身で失敗体験しながら無駄にクロールするのは実に楽しいものです。もちろん他人から見ると変人奇人に見えるのは当然ですが、やってる本人が楽しければいいじゃないかと思うわけです。

手頃な水力タービンってありませんかねー・・・


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