変わる力と変わらない力、任天堂スイッチはどうか?

 
任天堂スイッチが発売され市場でも売り切れも出るほどの好調な滑り出しとなっているようだ。ただ私的にはかなり懐疑的に見ている。
以前ブログに書いたが、メインターゲットを見誤っている可能性が高いのだ。

Nintendo Switch 紹介映像
https://youtu.be/Jj4sfry-wYw


先日発売してヒットしたミニファミコンの結果を見れば誰をターゲットにすべきかは一目瞭然だ。子供はミニファミコンには興味はない。あれを買ったのはあの時代にファミコンで遊んだ今時のスマホゲームについていけない準シニア層なのだ。

これからのメインターゲットは子供はなく高齢者である。
昔ファミコンで育ったミドルやシニア層と更にそれ以上の年齢層をターゲットにするべきだろう。

最近の子供は小学生の頃からスマホという超高性能なネット端末を持ち歩いている。
友達からいじめられないためにも、LINEやSNSの付き合いをするだけで手いっぱいなのだ。もう彼らにはゲーム専用端末機に割く時間など残っていないだろう。

一方、老人はスマホを持っていてもスマホを弄らない。
あんな5インチほどの小さな画面を覗き込んでも何も見えないのだ。
しかも静電気方式のタッチパネルは老化で乾燥した指先では反応もしない。
虚しくツルツルと表面を滑るだけだ。

格差社会が益々顕著になる中、世界の平均年収が10万円しかない世界情勢と比較すると、日本の年金生活者は十分な金は持っている。しかし、病院に通うこと以外にやることもなく暇を持て余しているのが実情だ。

スマホで埋まらなかった隙間をゲーム機で埋めることは可能だろう。
老人向けの多様なコンテンツを用意して高齢者向けに徹底的に作り込んだ専用端末を作ることが重要だろう。

少子化現象で子供は激減しているが、老人は無くならない。
寧ろ今後益々増える一方である。
これほど将来有望で確かなマーケットは他にないだろう。
ここに着目して最初に切り込んものが独り勝ちするのは明白である。

高齢者層はハイテクの空白地である。
彼らが新たな生きがいを見つけられれば医療費削減にも繋がるかもしれない。
これは社会的に意義のあるプロジェクトでもあるのだ。w


Wii Uの失敗から学ぶべきもの
http://ttripper.blogspot.jp/2013/04/wii-u.html


任天堂がファミコンで発明?した最大の功績は、十字ボタンとABボタンのシンプルなインターフェースだろう。小さな子供から機械音痴の老人まで誰でも直感で操作できる単純なインターフェースがファミコンの成功に大きく貢献したと言える。

パソコンのようなボタンが沢山あって、さらにマウスもあるような複雑なインターフェースでは対応できないユーザー層があるのだ。
極限まで削り落としたシンプルな構造が重要で大衆に受け入れられる可能性が高い。
複雑なボタンもないシンプルなスマホの構造の発想は、何もジョブズが考えたものでなく大昔からのある道具しての王道である。

さらに、初代ファミコンはバードウェアとしてプラットフォームが凍結されていたことが、長く愛されレジェンドを生む結果に繋がったと言える。
家を建てるには基礎が重要と言われるが、ソフト開発でも固定された揺るぎないプラットフォームが何よりも重要である。
世界中でWindows XPが長く使い続けられたのもそのためだ。

スマホが市場に出始めた当初、試験的にAndroid OSのアプリ開発を行ったことがある。
Androidは非常に汎用性のあるOSではあるが、いざプログラムしてみると各機種毎の機能や環境が異なる中で、安定的なアプリを作るのが如何に大変かを実感した。
画面の解像度やサイズも異なることで画面デザインすら固定できないのにはまいった。
画面インターフェースは使い心地に直結する最も重要な要素であるが、これでは十分な顧客満足は得られない。

一方、機種やハード環境が限られているiPhoneのほうがアプリ作成が簡単なのは言うまでもない。テスト工数も大幅に削減できるのでアプリの開発コストを安く抑えられる。

Androidを利用したスマホ端末は基本的なスペックの縛りを設けるべきだっだろう。
これはGoogleの失敗で、今からでもそれを行えばアップルに十分対抗できるはずだ。
要するに無駄なゴミ端末が多すぎるのだ。


プラットフォームはコロコロと変えるものではない。
ソフトの開発者からするとベースの環境が変更されれば、それに影響される全ての部品をテストし直す必要がある。これには膨大なコストと時間がかかる。
OSに多少のバグあろうとも細かくリビジョンをアップするのは致命的である。
発売当初、如何に安定感のあるOSを提供できるのかにかかっていとも言える。

実際、今でも宇宙ロケットは一世代以上前のテクノロジーで飛んでいる。
時間をかけて作り込んだ安定的なプラットフォームが何より重要なのだ。

この先スイッチのリビジョンがどう上がるかを観察すればこの機種の寿命も見えてくるだろう。今はネットに接続されているのでリビジョンアップは簡単にできるが、それはすべきでない。新たな機能より、より深く使い込む開発をすべきである。

初代ファミコンのような4ビットのチープな環境でもスムースなスクロールや複雑な割り込みによる音楽演奏等の神業のようなアルゴリズムを考えだし、より豊かな表現を積み重ねていったのだ。

今時の若いプログラマーは用意された部品に仕事を依頼するようなプログラムしか書かないが、そんな事務的なプログラムには全然魅力を感じない。ソフトでハードを作り出すぐらいのフロンティア精神を持ってプログラミングに取り組んでほしいものだ。

そのためにもプラットフォームは弄ってはいけない。
それが出来れば任天堂は復活できるだろう。

重要なことは動かないことだ。