「DS05」という怪しいネットワークカメラで遊んでみた。防犯カメラは盗撮されている?
最後は「怪しいカメラ」のお話です。
我が家のご近所にはアナグマが生息してて、今年の夏も沢山の スイカを食べられました。
毎年スイカはアナグマへのお供え物として作っているようなものですね。w
最近、夜が涼しくなって盛りの季節なのか?夜中に騒いで何やらゴソゴソとやっています。
知り合いが庭にトレイルカメラを設置してみたら、色々な野生動物が撮影できたようなので、アナグマ観察用に「怪しいカメラ」を一つ買ってみました。
https://amzn.to/3Y0zOti
Rosdeca 防犯カメラ 監視カメラ ミニカメラ 1080P 人体検知 夜間対応 小型 遠隔操作 IOS/Android対応 軽量 室内対応 ポケットサイズ メモリカード付属
タイトルがすでに怪しいのですが、アマゾン評価は★2.4で苦情コメントが殺到している状態なので、普通は買っちゃダメな商品ですが、とにかく値段が1800円と安価で、32GBのSDカードも付いていて怪しさがマニア心をくすぐります。
アマゾンのアフィリエイトでもらったギフト券があったので、研究用に無料でいただきました。決して素人は手を出してはいけません。このカメラは危険ですよ!w
実は、このカメラは2年前に一度購入したことがあります。
その時はアナグマ目的ではなかったのですが、届いたカメラを充電しても全く動作しなかったのですぐに返品しました。
ただ、その時に少しだけ簡単なテストをしてみたら、動画の撮影やキャプチャー静止画は問題なく保存できて、画質も値段相応で音声も録音も問題ありませんでした。安いものなのでキープしても良かったかな?とちょっと後悔していました。
そんなこともあって今回「怪しいカメラ」をリベンジしてみたのですが、やはり結果は同じでした。2年前に既に死亡していたバッテリーが生き返ることはありませんよね。このカメラは当たりハズレの問題ではなく確信犯です。
バッテリーは死んでいましたが、USBからの給電状態では動作しました。商品説明にもUSB給電で使用することを推奨しています。そもそも死んだバッテリー付きの消費期限切れのカメラだということです。
一応1080Pで撮影は出来ます。解像度は高中低と3段階の切り替えが出来て、解像度や被写体によってフレームレートが変動します。大体15f/s程度で、暗視では7f/s程度まで落ちます。音声も録音されますが、少しこもった感じで音量も小さいです。近くの話し声なら聞き取れる程度です。
スナップショットの静止画で確認すると、高は1920×1080、中、低は640×360の解像度でした。動画サイズは常に1920×1080ですが、解像の設定で引き伸ばしているだけのようです。高の設定でも実際のセンサーのサイズは不明です。
撮影した動画はアプリのタブレットにも保存されますが、カメラのSDには保存されていない場合が多いです。またキャプチャー写真はアプリ側には保存されますが、カメラのSDには全く保存されません。動画のキャプチャーなので特に必要ありませんが、SDへの写真保存機能は無いと思って良さそうです。アプリ側に保存それている動画も不安定でファイルが一部破損している場合があります。
SDメディアの動画ファイルは5分程度で区切られていて小分けして別々に保存されます。説明書ではAVI形式と書かれていますが、拡張子は「mp4」で保存されていました。おそらく5分間より短い録画はSD保存で失敗する可能性が高いと思います。ドラレコ用の録画システムなんでしょうね。5分以内の最後の動画は正常に保存されないと思います。
このカメラはUSBから給電している状態では常にWi-Fiを発信していて、電源ボタンを押してで電源を落とすこともできません。つまりネットワークカメラやドラレコに近いものです。なので小型のアクションカメラといった用途には使えません。
何故なら撮影用のシャッターボタンすらなくて、電源とすぐに撮影状態になって、Wi-Fiで映像データを発信し続けてます。しかしSDへの録画はしていません。ここが面倒臭いところです。録画開始はアプリから指示する必要があります。実に面倒な仕様です。
このアプリも曲者で、かなり怪しいです。
「Video0」という如何にも怪しいネーミングのアプリですが、IOSとAndroidに対応ということで、iPhone用はApp Storeにありました。しかし、Android用は公式のGoogle Playには無く、他のフリーサイトにバージョンの異なるものがいくつか存在します。
販売者に問い合わせたところ、Android用のアプリを送ってくれたのですが、手持ちのタブレット(ver7)では「危険なアプリ」という警告が出てインストールができませんでした。
最近のOSなら大丈夫なのかもしれませんが、メインのスマホには怖くてインストールできないので、以前入手していた古いバージョン(バージョン 1.5.1.16)のアプリをタブレットに入れたところで無事に認識して動作しました。
おそらくこのアプリは同系列のカメラと共通プロトコルで動作していると思われるので、メニューの全ての機能は動作しないかもしれません。特に期待していた動体センサーや発見時の通知機能は反応がありませんでした。トレイルカメラのような撮影は難しいかもしれません。
またフリーで出回っているアプリには危険な細工がされている場合もあるので、とにかく危険なトラップが多数点在する怪しいカメラです。
バッテリーが正常なら電源は落とせるようですが、正常なバッテリーに交換しても稼働時間は極端に短いと思います。何故なら動作中はかなりの熱を持ちます。これからの冬場にはUSBカイロとして使えるかもしれません。w
なので屋外に持ち出すためにはモバイルバッテリー等に接続する必要がありますが、ここでも謎の現象が起こりました。
白と黒、どちらも同じメーカーの同じ型番のモバイルバッテリーですが、黒では動作しましたが、白では何度試しても動作しませんでした。
「Anker PowerCore 10000」というモバイルバッテリーで3千円ほどで売られています。
どちらも充電された状態でスマホやタブレットでは問題なく動作しています。
しかし何度試しても結果は同じでした。
同じ型番ではもバッテリーの購入時期が若干違うので、何か仕様が変わっているのかもしれません。満充電の反応とかに癖があるのかもしれませんね。
このカメラの全面にはフォトレジスタ(レンズの下のブルー)があって、輝度が下がると自動的に全面に付いている6つの赤外線LEDが点灯して白黒の赤外線撮影に切り替わります。5m程度の距離なら何があるのか判別ができる程度です。明るくなると通常のカラーモードに戻りますが、けっこうスムーズに切り替わります。この辺はよくできていると思います。
もう一つ、このカメラはインターネットにも接続できて、ネットに接続すると世界中どこからでもカメラの映像を確認できます。防犯やペットの見守りに使えるということですが、これは危険すぎると思います。
この手の格安カメラはそもそも怪しい作りで、バックドアは確実にあると思います。
というかバックドアのないシステムはありませんが、問題はその鍵をどう管理しているか?ということです。簡単に開けられる鍵では困るわけです。
それなりの業者が販売しているネットワークカメラでも、業務レベルのセキュリティ対策が万全でないと逆にセキュリティーがただ漏れになっている可能性があります。
「大型電気店で買ったから大丈夫」というのものではありません。むしろ危険です。
ダミー用の防犯カメラのほうが安全かもしれません。
防犯どころかウエルカム状態のカメラがほとんどで、無数のネットワークカメラ映像が見れる裏サイトもあるほどです。とてもじゃないですが数万円程度のカメラは信用してはいけません。Githubなどにも様々なネットワークカメラの解析データが多数あります。
それでもペット監視がどうしてもしたいというのなら、カメラをペット小屋の方向に固定して動かないようにするとか、他人から覗かれてもプライバシーや防犯上問題ないところだけに限定して設置することをオススメします。決して安易に居間とかに置かないように!音声にも注意してください。首振りカメラはもっと危険!
盗撮目的で格安ネットカメラがたたき売りされている場合もあります。ネットワークカメラには、それなりのリスクが有るということを十分理解して利用してください。
なので、こんな危険な香りがプンプンする不完全なカメラはインターネットには繋げません。Wi-Fiのホットスポット接続だと10m程度の距離しか電波は飛ばないので比較的安全ですが、お隣さんにはご注意ください。Wi-Fiは簡単に拾えます。
最後に、みんな大好きな分解図をご覧ください。
側面の小さなネジを4つ外すとバックパネルが外れます。
バックパネルにはWi-Fi用のアンテナが貼り付けられているので注意してください。
2段重の基盤になっている?ようです。
カメラのフラットケーブルに「DS05」という文字が読み取れます。
これがこのカメラの型番になっています。
バッテリーがしっかり膨れている感じなので死んでいると思います。
これを外して付け替えれば復活すると思いますが、面倒なので様子見しています。
これ以上分解するにはカメラモジュールを外さないとダメなので、とりあえずここまでにします。うまく使えばラズパイとかのカメラにも流用できそうです。
部品換算だと値段相応だと思います。
研究用や改造ベースには面白いカメラじゃないでしょうか?
そんなことで、アナグマの監視活動はまだできていません。w