ドローンを買ってもいないのに航空法を勉強してみる

 アマゾンのアフィリエイトでギフト券が貯まったことで始まったドローン話ですが、RCグライダーを含めたラジコン飛行機全般に関連があるので、もう少し突っ込んで勉強してみました。




 

「ドローンでも買ってみる?」 という思考ルーチン
 

そもそもこんな法律が出来たのは、どこかのアホが官邸にドローンを下したことがはじまりになっています。全くバカバカしい話ですが、おそらく誰かが引換金を引くのを待っていたか、引かせたか?でしょう。

200gという根拠不明の線引を設けて、それ以上と以下で区分されています。
200g以下の場合は電波法や道路交通法、地域の各種条例等に従うのは当然ですが、それ以外に「小型無人機等飛行禁止法」も遵守する必要があります。

 

 


200g以上の機体の場合は上記の法律に加えて、航空法により固定翼や回転翼、ドローンといった形態を問わず、飛行禁止領域や特定の空域を飛行させる場合は事前に申請して許可を得る必要があります。


飛行禁止区域についてこちらのマップで確認してください。

飛行禁止エリアマップ

 


ドローンやラジコン飛行機等の基本的な飛行ルールはこちらになります。 

 

 


まず「無人航空機飛行マニュアル」というものがあり、これを理解して遵守する必要があります。無人航空機には固定翼機や回転翼機、ドローンなどが含まれます。

無人航空機飛行マニュアル

 ・飛行場所を特定した申請の飛行マニュアル作成例
  航空局標準マニュアル01
 ・飛行場所を特定しない申請の飛行マニュアル作成例
  航空局標準マニュアル02

趣味目的の場合は飛行場所を特定した個別申請とするよう定められています。
なのでYoutube用の動画撮影などは年間を通した全国包括申請はルール違反になります。
そうなると現実的に運用するはかなり難しいと思います。


ただこのマニュアルはドローンのみをターゲットにして書いているようで、固定翼機などには当てはまらいないことだらけです。「無人航空機飛行マニュアル」というタイトル通りならば不備が散見されます。大幅に内容の見直しが必要でしょう。

例えば事前の訓練の項目に離着陸のことが書かれていますが、「操縦者から3m離れた位置で、3mの高さまで離陸し、指定の範囲内に着陸すること」と書かれています。
このようなことはヘリコプターのような回転翼機かドローンでないと行なえません。

当たり前ですが固定翼機では不可能です。

ホバリングの練習項目がありますが、そもそも固定翼機はホバリングしません。
左右方向の移動もしませんし、前後方向の移動もしません。
水平面内での飛行は可能ですが意味が違っています。
全体的にこんな調子で書かれているので内容の信憑性を疑います。

もしここに書かれている内容がドローン専用の訓練だとしても、今のドローンは離着陸もボタン1つ押すだけですし、高度維持も水平移動もスティックを少し触るだけでオートマックに誰にでもできます。こんな訓練を5回連続できたとしても何の意味もありません。

 

もし私がマニュアルを作成するなら、まず無動力の固定翼グライダーの飛行訓練を必須にして、最低でも20時間程度の飛行訓練を義務付けます。グライダーは全ての飛行機の基本中の基本で、風による空気の流れやエアーポッケットを体感し、3D空間を把握する訓練には最適です。

 

滑空機で訓練することで、機体の姿勢を見ているだけで風の抵抗を指先で感じ取るようになります。また無動力機でのハンドキャッチも義務付けるれば確実に機体をコントロールできる証拠にもなります。連続5回ハンドキャッチに成功できれば合格でしょう。

 

ドローンを弄る前にまず紙飛行機からはじめてもいいほどです。

現在運用されている民間のドローン教習所の訓練内容が問われると思います。

 

 


航空法による飛行ルールで特に気になるのは「高度150mのルール」です。
住宅もない山岳を含めて全ての空域でこのルールが適用されています。

 

これは旅客機などと接触を避けるためだと思われますが「どこから計測して150mなの?」に引っかかりました。 (山の地形に合わせて線が引かれている)

例えば山の上でドローンを飛行させた場合はどうなのか?という問題です。
先日ハイキングに行った生石山は標高が870mほどあります。ドローンでススキを空撮していた人達がいましたが、ここはRCスロープグライダーのメッカでもあります。
 

 

 

切り立った斜面からドローンを離陸させて水平飛行するだけで、あっという間に地表から150mの距離に達してしまいます。




もしそうなら、山の上で飛ばしているスロープグライダーはほぼこの規制に抵触する可能性があります。スロープグライダーは強風の中で飛ばすので200gといった軽い機体はありません。厳密に運用すると全てのグライダーが機体登録と許可申請が必要になってきます。

 

 


現在はネットから登録申請ができますが、申請様式を確認するとほぼ市販の有名企業が販売しているドローンを主に対象にしたような様式になっています。

 

機体視認のための信号灯の義務付けや取り扱い説明書の添付など、ほとんどが手作りのスロープグライダーではパス出来ないような内容になっています。これにパスした手作り飛行機ってあるんでしょうか?



ドローン情報基盤システム
https://www.dips.mlit.go.jp/portal/



さらに細かな条項を調べていくと、厳密に運用するのは至難の業です。
前回紹介したドローンのYoutubeチャンネルの動画もアウトなものがいくつかあるように思います。空撮をYoutubeにアップする場合はお気をつけください。

とにかく飛ばす場所が難しくて、ビーチなどの海辺では「海岸法」があったり、河川敷では「河川法」もあります。色々な法律が複雑に絡んでそこに「航空法」が絡んできます。

しかも私有地の上を飛行する場合は事前に所有者に了解を得ないと個人情報保護法等にも引っかかてきます。住宅以外に田んぼや畑や山林も殆どは私有地ですから、これを厳密に運用すると飛ばせるところは日本にはないんじゃないか?と思えてきます。
全国の包括的な飛行許可を得ていたとしても、勝手にどこで飛ばしもいいというものではありません。

しかし、現実はバンバン飛び回っているわけで、ザルな運用をしているのでしょう。
「だったら中途半端な規制を作るな!」という気持ちにもなります。w


こちらの動画は、山岳で空撮をされる方は参考になると思います。事前の申請から地権者の了解など適確な情報だと思います。高度150mルールにも触れられていますが、事前に許可を得ておくのがいいと思います。

山で飛ばすドローン完全マニュアル
https://youtu.be/ODzOunSpUyQ
https://youtu.be/znfcA_mPdzk



現状はザルな運用されているドローンですが、とりあえず登録だけはしておいてもいいかもしれません。何故なら、ジジの時代はバイクに乗れたら自動車免許がもらえたようです。バイクも限定解除で何でも乗れたりします。つまり免許制度には既得権が優先されるということです。

おそらくこれだけザルな法律なので、そのうちに内容が見直され正式な免許制度に移行する可能性もあると思います。もしそうなるなら今のうちに登録しておけば自動的に免許がもらえるかもしれません。登録は無料ですし今がチャンスかも?

今の登録システムなら実機を持っていなくても画像ファイル等を添付するだけで誰でも登録ができてしまいます。実機の確認や飛行テクニックの実地テストまではされませんし、飛行時間等も自己申告するだけです。・・・これでいいのか?



ということで申請してみました。

https://www.dips.mlit.go.jp/portal/



 

まずは管理者のユーザー情報の登録を行います。
これはメールアドレスだけあれば誰でも登録できます。



ただ、カナ名は空白を開けず記入しないと全角判定されません。
よくあるシステムの初歩的なプログラムミスです。w


続いて機体登録を行います。

登録は手持ちの機体単位に行う必要があります。まだドローンは購入していないので、以前作った自作のグライダーを試しに登録してみました。



自作機なのに製造番号を必須で求められます。 おいおいw
このシステムは入力項目に応じた関連チェックも出来ていないようです。


続いて機体の設計書や性能を記載します。
設計書は機体の写真でもOKです。
機体写真だけを見て運動性能が分かる人って、鳥人間か?神様ですか?w



諸元登録では取扱説明の記載有無も聞かれますが、自作機に取説なんてあるわけないでしょう!ちょっとおバカすぎるシステムでビックリしました。

せめて市販品と自作機で入力項目を分けるべきですし、固定翼と回転翼では性能項目が違うので区別すべきです。

滑空機で最高速度ってどうやって計測するんですか? DSだと200km/h以上だと思います。

ラジコンの世界は奥が深いので、素人の役人には理解できないと思います。


このあと操縦者登録を行います。

誰がどの機体を操縦するか?の登録も必要になります。



以上を行った上で「高度150m」等の特別に許可がほしい項目の申請書を提出することになります。今のところ利用予定がないので今回はここまでにしました。


自作機や取扱説明に記載がない項目があれば申請が通らないというウワサも聞きました。どういった基準で判断しているのか?そもそも判断する知識やデータを持ち合わせているのか?システム不備も含めて大いに疑問に思いました。


200g以下の機体ならこんな面倒くさいことは一切不要です!
200g以上でも許可申請が不要な場所で飛行するだけなら登録は不要です。


ただし高度150m制限にはお気をつけください。
違反すると50万円以下の罰金と、もれなく前科者になれます。w

 

さて、この先どうするか?
回転翼とドローンも登録しておいたほうがいいのかな?

ドローン買う?


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