YAMAHA RM1xの電気的音楽講座、スイッチ復活の手順


お決まりのパターンですが、中学時代から音楽に没頭しまして、当時は中二病で「将来はプロになる」とすっかり思い込んでいたのですが、エレキのエフェクター作りで電子工作の面白さに目覚め、その延長線上で当時では珍しかったシンセサイザーのキットを組み立てたのを切っ掛けにギターからキーボードに興味が変わりまして、リズムボックスなんかも自作してシーケンサーというソフトっぽいものにも触れました。

大転換となったのテレビゲームのキットを組み立てたことで、LSIの中身のソフトウェアに物凄く興味を持ったわけです。そんなことでハードからソフトに興味は移り、進路は電子工学から情報工学に変る切っ掛けとなりました。ここが人生を左右する大きな分岐点でした。

結果、今の自分がいるわけですが、学業より趣味のほうが人生には大切だと思うわけです。高い塾通いよりも、子供さんの趣味にしっかり投資してやってください。

そんなシンセ好きのYMO神様的な当時、ファンの間で伝説的な番組になったのが坂本隆一の電気的音楽講座でした。

Ryuichi Sakamoto - Sound Street '81 - 電気的音楽講座
https://youtu.be/YVgKMjoThoc

ラジカセでエアーチェックしてカセットテープに録音したものを何度も繰り返して聞いたものです。そんな青春時代の頭からほとんど進化することもなく現在に至っているわけですが、今回はリアルな電気的音楽講座になります。

前置きが長くなりましたが、愛機「YAMAHA RM1x」ですが、経年効果でスイッチの接触不良が頻発するようになりました。どうしても反応しないスイッチも数個出てきたので思い切って御開帳してみました。


お約束のお断りですが、ここからは自己責任の世界になります。
電気的な知識はほとんど必要ありませんが、失敗すれば破壊的音楽講座になります。

RM1xは世界的にまだまだ愛好家が多い機種ですが、スイッチ類の接触不良はこの機種特有の持病で、遅かれ早かれ必ず接触不良の症状が現れます。抜本的な対策としてはスイッチ類を付け替えれは完治するのですが、その前に簡単に復活させる方法を見つけました。

まず、裏蓋を外します。
底面のネジと後ろの側面のネジを全て外します。
ネジを全て外せば止め爪もなくスッと裏蓋は外れます。
(コード止めのネジは外す必要はありません)

ネジは全てタップネジですが、微妙に長さが違います。
底面は短く、側面は少し長めです。区分して保管してください。
裏蓋を空けるとメインの電子基板が現れます。


ケーブが何本か接続されています。まずこのケーブルに番号札を付けて組み立てる時に分かるようにします。この時に写真を撮っておくと組み立てで迷うことはないと思います。

ラジオペンチでケーブルのソケットを軽く摘まみながら垂直に引き抜くと簡単に取れると思います。全てのケーブルを外してから基盤のネジを外します。


次にフロッピーユニットを外します。
この時、基盤上に付いているネジは少し長くなっています。


次に中敷きの鉄板を外します。
同じく基盤上に付いているネジは少し長くて、裏の側面のネジがさらに長いネジになっています。


中敷きを外すとようやくスイッチの基盤に辿り着きます。
ここで外すのはメインスイッチ基盤だけで、液晶ディスプレーやボリュームの基盤は外す必要はありません。基盤に貼り付いていケーブルを外して、ネジを全て外してトグルスイッチのキャップを外すと問題の基盤が取り外せます。



スイッチのカバーは基盤の裏に3つの爪で止められています。
プラスチック部分が一部薄いところもあるので爪は丁寧に外してください。



スイッチカバーを外すと問題のタクトスイッチが現れます。



基板の表面に薄らと埃かかぶっているので筆で取り除いやりました。
このゴムキャップのタクトスイッチを付け替えれば完全復活するのですが、付け替えなくても掃除すれば復活します。

このタクトスイッチは伝導体の付いたゴムキャブをベースの台座に溶接されているのですが、ピンセットで摘まんで引っ張ると外すことができます。


ただし、一度ゴムキャップを外すと二度と元に戻せません。
下記の手順で復活させるか、スイッチを付け替えるかしてください。

スイッチの構造は単純で、2つの電極にゴムキャブの伝導体が接触すればスイッチが入る仕組みです。この電極と伝導体の表面に汚れが付いて接触不良を起こしています。

ベースの電極は綿棒に接点復活剤かCRCを少し付けて清掃し、油分は出来るだけ綺麗にふき取ります。ゴムキャップの伝導体も綿棒で綺麗に清掃すれば接点は復活します。
心配な方はテスターで計測しながら接触具合を検査してしてみてください。

問題はここからです。
前のお断りのとおり、ゴムキャブはスイッチに戻すことはできません。
色々と検証した結果、スイッチカバーの足がゴムキャップにジャスト接地した状態がデフォルトのようです。だったら、足にゴムキャップをくっ付けちゃえばよいのでは?という大胆な発想です。スイッチカバーの足にゴムキャップを接着してみました。


ただ、このままだとゴムキャップがスイッチのケースとぶつかってうまくセット出来ません。そこでゴムキャップを反転させてキノコのような状態にします。これでキッチリとセットできてスイッチもしっかり押せるようになります。


全てのスイッチを元通りに取り付けて、分解した手順の逆に組み立てれば修理は完了です。


この修理方法だとゴムキャップの反発が無くなるのでフェザータッチでオン/オフできるようになります。スイッチをギュッと押し込む微妙なタイムラグも無くなるのでジャストタイムで鍵盤を押せます。演奏タイミングに少し慣れが必要ですが、格段に演奏しやすくなると思います。

めでたく完全復活した愛機Rm1xで、懐かしのYMOを演奏してみました。
ナイスミドルの方なら涙する青春のテクノサウンドです。

YMO RYDEEN Cover on YAMAHA RM1x
https://youtu.be/rwq9eRtC8eU


あの頃は青かったなー・・・


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