自動運転車は世界地図を描けるか?
昔から、けっこう地図オタクなんですが、
自動運転車の落とし穴はその地図にあります。
ナビを付けて走ってみるとよくわかりますが、田舎には詳細な地図がありません。
自宅の周辺は辛うじて詳細マップが表示されますが、少し山間に入れば主要道路の線だけに切り替わります。
農道のような脇道や歩道はどこにも記載されていないのです。
地図は需要があるからこそ調査に膨大なコストをかけて作られるわけで、売れもしない地図は誰も作らないのです。
逆に都会は街の開発スピードに地図の更新が追いついていないのが現状です。
毎日、道路は作られ家やビルも建っているわけで、昨日と今日では街の風景が違うのです。
大体の地図は何年度版として年単位の更新となっていますが、内容は前年度分を取りまとめた内容になっています。
もちろん田舎は毎年も更新されません。
よくて数年単位なのでナビの地図情報を更新しても反映されていないことも多々あります。
国がやってる国土地理院の地図だっていい加減なもので、
以前、ご近所の地図を確認すると、あらぬところに道路が走っていたので訂正を依頼したことがあります。
国土地理院によるとその間違いは数十年前からだったようで、翌年版では正しく訂正されました。
一度ご近所の地図を確認して見てください。
今確認すると、10年ほど前に潰した我が家のビニールハウスがまだ建ってました。(笑)
地理院地図
http://maps.gsi.go.jp/
地図がなければ自動運転車は微動だり出来ないのです。
つまり田舎はいつまで経っても自動走行で走れない可能性があるわけです。
グーグルのストリュートビューは世界中に広がりを見せていますが、もうご近所は表示されてるでしょうか?
我が家のご近所もいつ最近表示されるようになりましたが、ちょっと奥に入るとまだまだな状態です。
日本はまだいいほうで、世界的に見れば全く手つかずのところがほとんどという状態です。
今、この地図作りに自動車業界は躍起になっています。
もちろん自動運転にはナビ程度の地図では使い物になりません。
1cm単位ほどの高精度で3Dのマッピングを作っているようです。
自動運転用の地図にはストリートビューのような写真だけでなく、緻密な3Dマップデータが必要です。
車線の数や幅、カーブの曲がり具合、信号や電柱の位置、ガードレールや側溝のフタの有無、道路脇の縁石の高さ等々あらゆる道路情報が必要で、これらの情報を元に自動車が走行するルートを作るようです。
この地図作りにどれだけのコストがかかるのか容易に想像できます。
さらに自動車産業はグローバルに商売してるので、輸出先の地図情報も必要になります。
これがまた問題で、地図情報は国によってく規格や精度が異なります。
それをどうやって統一規格にするのか、各種メーカーをだれが取りまとめるのか、課題は山積みです。
グローバルとなると各国の思惑入ってきます。
地図には表現したくないセンシティブな問題も色々と出てくるでしょう。
国の形も含めて「この世には世界地図は存在しない」これが正論です。
それだけ地図作りは永遠のテーマであってやっかいなものなのです。
鍵を握るのがこちらの会社のようです。
日本は枠外のようですが・・・
Here
https://www.here.com
さらに精度の高い自動運転には、刻々と変わる道路状況や天変地異などリアルタイムに情報を把握する必要があります。
これらの情報を更新するために高速で巨大なネットワーク網が必要になってきます。
もちろん自動走行には車がネットに接続されているが大前提になります。
ネットに繋がらないところは詳細な道路情報が得られないため走れない可能性もあります。
そうなるとウイルスに感染したり乗っ取られたりというのは当たり前に発生することになります。
「あたなの車にはウイルス対策ソフトが入ってますか?」
みたいなマッチポンプ的な商売も繁盛することでしょう。
もちろんこれらの膨大なコストは最終的には自動車の価格に上乗せされてきます。
お手軽に自動にすることで社会インフラのコストが跳ね上がるのは当然です。
これ見て勘違いする人もいるでしょうが、これは完璧に把握されたテストコース上だから出来ているわけです。 自動ブレーキと自動運転では全く次元の異なる運転の差がある難しさなのです。もうすぐ?・・・出来るものなら 「やってみろNISSAN」
一見すると自動運転する自動車のハードを注目しそうですが、実は肝心なのは裏のソフト情報です。Googleやアップルが自動車を作っている理由がここにあるわけです。
当然、自動車屋さんよりソフト屋さんのほうが優れているは言うまでもありません。
これからの自動運転車はハード商売でなく、ソフト的な情報を売る商売になる可能性もあります。
スマホみたいなシムフリーの機種互換とか、OSのエミュレーターとかどんどんソフト化が進むでしょう。その内に自動車はどれも同じような単なる箱でアプリが命なんて時代になるかもしれません。
「何を売って金に換えるか」これらは全て錬金術なわけです。
本当に生み出したいのは自動運転の社会ではなく、金を回すための新たなマーケットなのです。
人が判断して乗る車がいかに効率的なのか改めて思うわけです。
開拓精神的な道なき道を走ってこそ自動車の真の価値があるんじゃないかと思うわけです。
まっそんなことで、やるならまず船からだろうというのが前回の提案になるわけです。
2020年、東京オリンピックは恐怖社会?
http://blogs.yahoo.co.jp/kai_yamamoto/64095387.html
その前に根本的な問題は以前に指摘済みです。
自動運転のジレンマ
http://blogs.yahoo.co.jp/kai_yamamoto/64085015.html
この手の未来っぽい話は現実よりも小説や映画、オモチャが先行するのはが世の常です。
アメリカでは今年のブラックフライデーも相当な混乱状態だったようですが、そんな中で、今年の一押しハイテク・オモチャとして「Anki Overdrive」が注目されていました。
Anki Overdrive
https://anki.com/
懐かしい! スロットルカーですねー
おそらく探せばまだ母屋にあるかもしれません。
昭和のスロットルカーの道路には溝があって、そこに車のピンを差し込んで、道路に埋め込まれた電極レールからブラシを通じて電気をモーターに直結する仕組みでした。その電流を手元のスロットで調整してスピードコントロールして走らせたものですが、これはかなりハイテクで、自動車に搭載されたセンサーで道路や他の車の状況を把握して自動走行するようです。
オモチャのほうが一歩先をいく、これも洗脳教育の一環なのでしょうか?
こんなオモチャで育った子供たちは自動転車になんの抵抗も持たないでしょうね。
まっ色々と疑いたくなるのは老人の性ですね。
私はハンドル派です。