フリーダム・ドッグ
今朝、フリーダム・ドッグに出会った。
一般には迷い犬とか野犬と言われるが、自由を手にした犬ともいえる。
首輪をしていたが身なりからかなり放浪期間が長いように見えた。
かなりの老犬で腰の辺りがかなり弱っているようだった。
自分で生きていく技をもっているようで、遠巻きにこちらをよく観察してから、
敵対心がないと判断すると頭を下げてゆっくりと近づいてきた。
通勤の途中だったので相手をしてやる時間がなかった。
ある程度の距離に来たときにこちらが少し距離をとった。
すると犬もわかったようで、ゆっくりと向きを変えた。
おそらく飼い主が探している状態ではないだろう。
もし保健所に届ければ数日中に殺処分させられてしまうかもしれない。
子供の頃、近所に3匹の野良犬がいた。
ボスとロッキーとラッキーだっか記憶が曖昧だがそんな名前で呼んでいた。
野良犬だったが近所の子供達とは友達で、いつも山まで一緒に遊びに行っていた。
山の天辺には一本松と呼ばれていた大きな松ノ木があったのだか、台風か何かで倒れた。
それを犬達と一緒に見に行ったことがある。
頂上には大きな松ノ木が横たわっていて、その上に犬達と一緒に登って遊んだ。
すると一匹の犬が足を滑らして木下に落ちたのだが、その犬にボスが声をかけていた風景が今も脳裏に焼き付いている。
昔は犬も人も対等で友達だった。
その平和な関係がたった40年ほどの間に崩れ去ってしまった。
今頃あの犬はどこにいるんだろう。
今もフリーダムであることを祈っている。